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2001.06.29

ブランド好きな日本女性に告ぐ!

キャッチフレーズやパフォーマンスでその人気を維持している小泉内閣。その一方では民間調査機関は百万人超の離職者の発生を予測している。このところの新聞、マスコミでは経済や景気対策の乏しい具体性に、倒産、失業者のニュースが後をたたないし、私のメールにも悲鳴にも似た声が毎日ように沢山送られてくる。

こうした「構造改革の痛み」が広がる中で、先日銀座にエルメスの立派な店鋪ができた事のニュースを耳にした。銀座のこの界隈には他にシャネルやグッチ、ヴィトンなど世界の一流ブランドの店が立ち並び、古き良き銀座もまた姿を変えつつあるようだ。この不景気な日本でこのような高価なブランド商品をあつかう店がなぜ次から次ぎに出店できるのか、それはもちろん日本人が買うからである。売れるからである。もちろんお客の主流は女性、その女性の父親やご主人の会社が今どうなっているのか解っているのだろうか。どれほど苦しい大変な毎日を過ごしているのか解っているのだろうか(私の娘や妻にも言えることだが)。
サラリーマンの月平均の小遣いは2万円。100円ショップが全国各地で売り場面積を広げ、四国や九州では298円のかつお飯なる弁当が飛ぶように売れ、カルフォルニアで作られた秋田小町を使った330円の冷凍弁当も出回り始めている。こうした通称デフレ弁当の毎日で体調を壊す男性が多い反面、ブランド品で身を飾る女性達は一体何なのだ。

先日韓国のソウル大学を訪問した際、ガイドの一人が「あの人はヴィトンを持っているから日本人ですよ」と言う言葉にある種の驚きを隠せなかった。確かに韓国はじめアジアでは日本人も見分けがつかない事も多々ある。しかし、ブランド品を持っているのは必ず日本人と思われているのだ。日本は不良債権処理もできず、株価は下がり、資産を減らし、赤字国家(660兆円の赤字国債を発行)になっている一方で、日本人の個人預貯金額は世界でも最上位(1400兆円)にランクされている。
したがって世界各国から見たら日本人一人一人は金持ち、という印象を持たれている、言い換えれば、いいカモなのである。

去る25日に米国で発売になった世界の経済誌『フォーブス誌』のビリオネラーランキングでは私は世界で130位、日本人では10位くらいだそうだか、そんな私でも全くと言って良い程、私はブランドに興味もなければ買う気もない。モノは名前ではなく内容だと私は思っている。米国ではアッパークラス、ミドルクラスの人達でさえレストア(Restore, 修繕する、復元する、再建する)されたものの中で生活し、そこに生き甲斐を感じている。お婆ちゃんのケリーバッグをレストアショップで修理してもらって使う、といのが当たり前のようになっている。お金を払う方も貰う方も、本物を知る人の行動であると思うし、インテリジェンスというのは、そういう事をいうのではないかと思うのである。
日本の女性達に言いたい、買い物にしてもキャッチフレーズや流行に踊らされて、いいカモになっていては、あまりにも情けない。


2001年6月29日 東京にて 糸山英太郎


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