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2000.07.16

「IT革命にもの申す」

 IT革命にもの申す。(日頃私が唱えていたことが偶然にも7月17日の読売新聞のに載っていた。)

 IT時代の到来に世界中が注目している昨今の風潮に私は疑問を抱き始めている。私自身IT論者でありコンピュータも50の手習として学習する毎日ではあるが、(森首相も最近パソコンを始めたと聞いたが・・・)最近 、富に感じる事は世界はIT革命を推進する以前に地球のエネルギー問題の解決を急がなくてならないのでは無いかと思う。

 世界人口60億の民がネットを操作しあらゆる情報を瞬時に入手出来る時代は国の大小を問わずコンピュータ社会の平等性を地球にもたらせた。事実、共産圏への物資規制も緩和される方向で世界は動き始めている。しかし忘れてならない問題が一つある。IT産業やそれにまつわる製品すべての原動力は電気であると言う事。現在その基になるエネルギー作りの資源はオイルである。既に専門家の間では地球のオイル資源は後30年間の供給が約束されていると言う。それは30年後にはオイルは人類に使い尽くされ、消滅すると言う事だ。その問題解決には空空漠漠とした「省エネルギー」の言葉でしか今の所、対応策は無い。原子力、太陽熱、水力、風力の研究は科学者の間で日夜続けられてはいるが、各国の主要電源のほとんどが哀しいかな依然とこのオイルで賄われているのが現実である。日本を例に取れば30%の電力は原発施設が受け持っている。しかしこの原発に対してはアレルギーを起す国民も少なく無い。ドイツは先の国策で30数ヵ所の原発基地を閉鎖した。その裏にはEC共同体の隣接する国々からエネルギーの供給を受けるシナリオがある。それは高くなるであろう原油を仕入れるよりでき上がった資源を買うの政策を打ち立てたものかも 知れない。そして原油を確保しようとする世界中の国々でまた醜い闘いが始まるのでは無いだろうか。私は消えてしまう資源に頼るこの時代に次世代のまた次ぎにとってはどうなってしまうのだろうと恐怖感すら覚える。

 今年の夏の日本列島は例年以上に蒸暑い真夏日が続いている。国民の中に少しでもこの「省エネ」に自ら進んで対応しようとする人が何人いるだろう。クーラーを何時もより1/10に使用頻度を落したり、使わないとする節電意識が何人の間でなされているだろう。快適なライフスタイルを知った国民にあるものを使うなとする方が酷と言えば酷である。幼児やお年寄りを抱えた家族に寝苦しい夜、冷房無しの生活や我慢を強いる事は時代に逆行している様でもある。残念ながらこの消エネ問題は国民の中でも実行が究めて難しい。一度贅沢を覚えてしまった人類は質素な生活をすることは不可能である。そんな現実に対しネット文化は世界の経済を台頭する勢いで邁進している。電気を始めエネルギーを使う文化が急速な伸びを示している。このままでは見識者が30年間の供給を唱える資源残高も20年、否、10年で消滅するやも知れない。特に発展途上の国々ではこのIT産業の推進で世界の主要国と肩を並べるまたと無いチャンスである。それは世界中で現在使われている電力が今まで以上、何倍も多くの電力消費を現実化するものだ。私はパソコンよりももっと大事な代替エネルギーの開発が先だと信じる。

 悲しいかな無資源国家日本と資源保有国アメリカとの違いは広がるばかりだ。NYでは今もなおこのドット・コム系の産業が盛んに活動している。一時期、下降し始めたと思われたナスダックの株価もこの所、再び上昇を始めた。立ち寄った同市で地 球資源に対する質問を浴び、その対応策を答えられず口惜しい思いをした。そんな私の心とは 裏腹に、今日もウォール街では活気に満ちた取り引きが行われている。オイルが無くなればIT産業どころの話しでは無いと思う。石油天国ブルネイでは25年で石油がなくなるというニュースが入ってきた。1バーレルU.S100ドルになってもはたして日本人はIT産業の開発に 力を入れていけるのだろうか?


2000年7月16日  ニューヨークにて 糸山英太郎


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