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2001.02.27

政治家とゴルフ(かけゴルフはしないのか?!)

ゴルフ業界はバブルの時は社用産業として凄まじい勢いだったが、最近はこのところの気候と同じ寒い時期をまだ抜け出せないでいる。今回のこのページでの話は、ゴルフ場経営者の私としては言いにくいし、気が引けるけれど、自分の経験と感じたことを書いてみようと思う。

私も永田町時代には先輩議員とのおつき合いでゴルフに行ったことはある。その中でも、印象的に記憶しているのは、今の衆議院議長、当時の国会対策副委員長であった綿貫民輔氏と、彼がメンバーになっていた読売カントリークラブでプレイした時だ。なぜ印象的かというと、ラウンドの途中で「にぎろうか」(つまり勝負しよう、かけゴルフしよう)という事になり、「いいでしょう」という事になって、その結果、後輩である私が勝ってしまったのだ。先輩を立てる…という義もあり、それからの1年ほどの気まずい思いは忘れられないのである。しかし今では、当時の綿貫氏は先輩としてわざと負けてくれたのかも知れないと思うのである。

そしてもうひとつ印象的なゴルフは、今は亡き竹下登(当時、大蔵大臣)氏と藤波孝生氏(当時、国会対策委員長)、それに今でこそ衆議院の副議長を務める渡部恒三氏と4人でプレイをした時だ。ラウンドしながらグリーンの上でポスト中曽根の話しが渡部氏からポツリポツリと出始め、ホールを重ねていく内に竹下氏が頭を下げ、よろしく、という事になったのである。この日の事が新聞記事に抜かれ、亀井静香氏に散々文句を言われたのを記憶している。もちろん料理屋で会い話し合いをすれば目立たなかったのかもしれないが、ゴルフ場は必ず誰かの目には入るものであるし、この時、政治家はゴルフ場に行っても気を使わなけれなならないものだと再認識もした。そもそも政治家は忙しいし、めったにゴルフをしないため決して上手ではない(元総理大臣の細川氏、故小渕恵三は例外的に上手であった)。ゴルフは確かにリフレッシュや気分転換には良いスポーツである。政治家だからゴルフをしてはいけない、という事はない。むしろ芸者遊びが無くなった今では、当たり前のことだ。かつて私は故田中角栄氏や竹下氏、他先輩議員とゴルフをすることによって、さまざまなことを見、数多くの教えを受けてきた。政治家(与野党問わず)にとってゴルフは接待マージャンの要素もあるが、そうした学びの場でもある。そして綿貫氏とのゴルフで感じたようにゴルフは、先輩がわざと負けて後輩へ小遣いを渡す良い機会でもある…それが昨日の予算委員会で話題に出たいわゆる「かけゴルフ」である。

森総理は26日の衆議院予算委員会で、米原潜による実習船衝突、沈没事故当時に「かけゴルフ」をしていたとされる問題で社民党の辻元清美氏の質問に対して「スタートする時には努力目標として、勝ったとか負けたとかの話し合いがあってもおかしくないんじゃないですか」と答弁した。ゴルフのスタート時にチョコレートをかけていたことを示唆した。総理はさらに「自分がどれだけ挑戦できるか、技術として試そうというのは当然じゃないですか。かけだとか、そんなことではない」と言っていた。またまた情けない言い訳である。「かけゴルフ」そのものについては、本人同士が良ければ、そして博打にならなければ良いと思う。今回のゴルフには中川秀直氏(前内閣官房長官)も一緒だったということだか、これは辞任に追い込んで恥じをかかせてしまった中川氏に対しての、森総理の罪滅ぼし、慰めるためのゴルフではなかったと思う。そしてわざと負けるつもりだったのではないかと思われる。その気持ちも生かされるどころか急転直下で悪い方へ転び、世論に大きな反発をもたらしてしまった。

もともと優柔不断な総理ではあるが、今回の対応はプライオリティが間違っている。有事の際に取るべき対応さえ間違えるようでは一国の総理として不安でならない。ましてゴルフの経営者としては、健全なスポーツであるゴルフの印象を悪くして欲しくない。他の企業同様にこの業界もただでさえ寒風にさらされているのだから。


平成13年2月27日 東京にて 糸山英太郎


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