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2004.02.17
英国エコノミスト誌の変節
日本経済回復論


私は英国のエコノミスト誌は世界最高水準の経済誌と認めている。同誌の論評は私に負けず劣らず超辛口で世界の投資家に大きな影響を与えているからだ。これまで日本経済に関しても「現状では楽観できず」として批判的な記事を掲載しつづけてきたのだ。
理由は明快だ。(1)実質成長率は上向いているが、これはデフレの進行に負うところが大きい。(2)財政支出を締めており、デフレへの対応が不十分。(3)金融メカニズムが脆弱。この3つに尽きるという論理なのだ。しかしここへきて、辛口エコノミスト誌が日本経済の見方を大きく変えてきた。エコノミスト誌2月14日号「日本経済は再び羽ばたく」と題し特集を組んでいる。

日本経済は設備投資の復調、対中輸出の増勢、企業体質の大幅改善、金融緩和の本格的な推進などによってバブル崩壊以後では初めて持続性のある回復局面に入った。もっとも円高の進行、中国経済の減速あるいは長期金利の上昇といった懸念材料がないわけではない。しかし、金融緩和政策が維持され財政政策で過ちを犯さない限り、長期的な成長をとげることができよう。構造改革の先行きについても期待が持てるようになってきた。昨秋の総選挙で野党の力が増し、小泉首相としても改革の手抜きができなくなってきたからだ。

以上のようにあの辛口エコノミスト誌にここまで言わしめたのだ。私に言わせれば中国の景気過熱の反動を小さく見すぎている点とGDPの160%にも及ぶ国債残高の負担についての考察が薄い点が気になる。だが結論は私も一緒だ、いくつかの懸念材料を考慮しても日本経済が持続的な回復を遂げる可能性は非常に強くなっている。

これまでの10年間日本はデフレによる倒産、不良債権、政治の行き詰まりなど悪いサイクルに悩まされてきた、今後はいよいよ回復の10年がやってくる。私には日本の株式市場にその萌芽が見えているのだ。相変わらず正反対の弱気を呪文のように唱えているドイツ証券・チーフストラテジスト・武者陵司氏の店じまいも近いだろう。
既に外資は動き始めている、遅れてはならない。日本人が今後10年の主役になる必要があるのだから。


2004年2月17日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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