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Itoyama Days
2004.03.31
偉くなると責任が重くなる
お金持ちになると敵が増える


功なり名をあげた立志伝中の人物がマスコミから袋叩きにされて堕ちる、こんなことが今の日本には極端に多くなってきたように思う。
もともと、金持ちになりつつあるときや、金持ちになったあとは、大なり小なり嫉妬めいた批判の砲火を浴びるのだが、特に日本人のひがみ根性は尋常でないようだ。
無論、犯罪は厳しく追及されるべきだし、許されてはならない。
森ビルの回転ドア事件、西武の総会屋事件、武富士の盗聴事件は社長及び幹部社員がその罪を償うべきだろう。
しかし、日本人は騒ぎすぎだ。気の毒だが回転ドアの事故は世界中で起きているし子供の自宅でのドア事故はもっと多いのが事実だ。
やはりマスコミや警察はプライオリティを間違っている、派手ではないが重要な事件が全く報道されていない。

ひとつひとつの事件の内部構造を観察している私はビジネス上の人の恨みを無視できないでいる。
ビジネスの上では利潤を追求する中で最も合理的な判断を下すわけだが、不況の昨今はこれを逆恨みする輩が少なくない。
ビジネスが大きくなり経営上の責任がとてつもなく重くなった経営者のことを成功者と呼ぶ。当然お金持ちになるが、無数の敵に囲まれる運命を持っている。
私は糸山政経塾でも成功すればするほど謙虚であれと教えた。
これ以上の謙虚はないという生き方をしていても、一度事件がおきると恨みを持った無数の敵が社会的に抹殺するまで叩きつづけるという状況は恐ろしい。
日本には成功者を育てる土壌ができていないのではないか?成功者に拍手を送れる社会をつくらなければ若者たちに向上心など生まれないはずだ。
ビジネスの成功者になると不幸になるなどと自らに言い聞かせる人間は不健康極まりない。
私は剛直を旨としているのでびくともしないが、新興のベンチャー企業経営者のひ弱さをみていると何か起こりそうで怖い。
私はビジネス成功者の強さと、成功者を受け入れる社会の成熟を望んでいる。

私は国会議員を20年、大学学長を25年と人様の上に立ち続けたが、いささか疲れた。人より偉くなるとたっぷり妬みをかうことを誰よりも知ってしまった。それによってこれからの若者が「出世には興味が無い」などと夢をもたないなら、私はこの日本を憂うしかない。


2004年3月31日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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