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2004.04.12
マスコミにつくられた人間は
マスコミに潰される


イラクで拉致された方々は気の毒だと思うが、北朝鮮の拉致被害者とは根本的に違う。復興活動のNGOと称し危険地帯に自らリスクを背負って向かった人間の為に一度出て行った自衛隊に撤収命令は出せないだろう。マスコミの論調は色々だが情緒的なものが多く非常に不快に感じている。

福田官房長官は在任期間が1258日となり吉田、佐藤両内閣の故・保利茂氏と並んで歴代1位になったことについて「よく小泉純一郎首相に付いて頑張ってきたと思うこともある」と自らを労い「内政、外交もいろいろ問題があり、新しい時代に適応できる政治体制が必要だ。常に改革をしていくことが政治だ」と悦にいっていた。私に言わせればこれはマスコミに有頂天にされている状態だ、案の定その直後にイラクで日本人3人が拉致された事件が発生している。被害者家族から自衛隊の撤退要請を受けても従来どおりの政府姿勢を繰り返すしか能の無い官房長官に戻っていた。官房長官はこのようなシナリオに対して答えを持っていなかったわけだが、マスコミは彼を持ち上げながらバッドシナリオに対する準備が十分でないと能無し扱いを始めたのだ。

溝川涼ちゃん(6つ)が回転扉に頭を挟まれ死亡した事故も、六本木ヒルズ竣工で森稔社長がマスコミに有頂天にされている中で起きたものだ。過去に同種事故の報告がされていたにも関わらず、六本木ヒルズの取材に忙しい森稔社長は安全の確保に全く関心が無かったのだろう。回転扉の構造的欠陥と事故防止への認識の甘さから重大な事故を招いたのだ。会社上層部の刑事責任についても捜査が進んでいることで、マスコミは森稔社長を叩き始めている。またマスコミは触れないが6つの子供から目を離した母親は辛くても責任を感じるべきだと思う。

そして今日はなんと植草一秀教授逮捕のニュースが流れてしまった。女子高校生のスカート内を手鏡でのぞこうとしたとして都迷惑防止条例違反(粗暴行為の禁止)の疑いで警視庁に逮捕されたというのだ。本人は容疑を認めているということだが信じられない事件だ。昨年10月の糸山政経塾第七講義でゲスト講師として来てくれた時には、「緊縮財政の罪はこの14年が雄弁に語っている、緊縮財政というものは一般家庭の家計では有効でも国家の財政においては全く逆の作用しかないということを歴代の総理大臣は知らなすぎた。」と熱弁を振るってくれたのだ。残念ながら彼もマスコミに有頂天にされていたのだろう。東大から野村総研・旧大蔵省の財政金融研究所などを経て、早稲田大学大学院の専任教授へと華麗な経歴を持ち、更にコメンテーターとして進んでテレビに出演していたことを考えれば足が地についていなかったのかもしれない。もっと地味に振舞っていれば将来は経済閣僚就任も可能だっただろう。

常に自らを戒めることを忘れてはいけない。しかしマスコミの扱いに翻弄される人間はとても多い。更に単純な日本人はそれに追従する。こんなことで日本は正しい判断ができるのだろうか。マスコミに人や国が潰されるわけにはいかない。


2004年4月12日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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