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2004.05.10
捕虜虐待
イラク統治のおぞましい実態
米国出張中の私は、米国民にイラク撤退意見が非常に多いことに驚かされた。
そしてイラク統治のおぞましい実態が明らかになっていった。
全裸のイラク人の人間ピラミッドの後ろで笑う女性米兵の写真は衝撃的だ。
米軍がイラク人収容者に虐待をしていた事実が次々と暴露されているが、当初米政府は「虐待に関与したのは少数だ」と強調していた。
しかし、化学薬品を浴びせ、軍用犬をけしかけ、性的暴行を加えるといった虐待が刑務所で組織的、日常的に行われていたことを示す米軍の内部文書が明らかになっている。
ブッシュ米大統領は昨年五月、イラク戦争の大規模戦闘終結宣言で「旧フセイン政権時代の拷問部屋もレイプ部屋もなくなった」と大威張りだったことを思い出す、その後の米軍管理下で同種のものが「復活」していたわけだ。
大統領も現地テレビに出演、虐待に関与した兵士を厳正に処分する考えを示したが、謝罪はしなかった。
ブッシュはフセインと変わらないとイラク人の怒りが当然のごとく起きているがこれは極めて正しい「ブッシュとフセインは同じ」なのだ。
私は最初からイラク戦争そのものに反対だったが、反対の理由にはこのような戦後のおぞましい占領にあったことも事実だ。
占領軍のおごりが露呈したとマスコミは書き立てるが私に言わせればこれこそが占領軍だ。民家に勝手に押し入り、理由もなく手当たり次第に拘束する。刑務所収容者の六割が武装勢力と関係のない無実の一般市民というが当然だろう。
日本も含めて歴史上親切な心優しい占領軍など聞いたことがない。
最初は米兵士も中部ファルージャでイラク国民から喜ばれる「解放軍」になれると思っていただろう。しかし女性、子供、老人の中にゲリラが存在する状況で兵士は悩み、高い志を捨ててしまうのだ。
虐待の内容を見れば解ることだが病的だ、イスラム社会への配慮が全くない。イスラム教では裸を見せることは恥であり、犬は不浄なものとされる。裸や犬を使った虐待はイスラム教を侮辱しイラク人に強烈な屈辱を与えている。
このままではブッシュは11月の米国大統領選挙に負けるだろう。逆転のためにビンラディンを使うのだとすれば米兵の死傷者をもっと増やすだけだ。
ブッシュ大統領の思惑で突っ走ったイラク戦争、占領のツケをこれから国際社会が払わされることを私は心配している。
全世界が注目しているイラク情勢の早期決着を望む。
2004年5月10日 サンフランシスコ発JAL001便機中にて
糸山 英太郎
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