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2004.06.08
小6女児同級生殺害事件
救えるのは親の愛のみ


なんとも痛ましい事件だ。長崎県佐世保市の小学校で、六年生の女子児童(11歳)が同級生をカッターナイフで斬りつけ死亡させた。
学生時代ケンカに明け暮れた私だが、制御できないほど感情が高ぶったことなど一度も無かった。殴り合っている最中でも、人間として越えてはならない一線ははっきり見えていたのだ。
一線を越えれば自分親兄弟が生き地獄を味わうことは子供でも想像できた。子供の時のケンカが将来、大人のケンカという高度な人間関係を構築する時に役立つはずなのに「殺す」という決着のつけ方を実行してしまったのだ。
子供たちが思春期を乗り越える体験にしてはあまりにも重すぎるだろう。

また今回の特徴はネットがトラブルのもとになっているということだ。
二人は他の一人を交えた三人で、各自宅のパソコンを使い「チャット」のグループをつくっていた。「チャット」とはネット上の「おしゃべり」のことだ。
普段のおしゃべりは、相手の表情やしぐさを見ながら楽しむ。話すことは録音でもしない限り、口の端から出てすぐに消えてしまう。互いに感情を読み取りながら、相づちを打ったり、反対の意見を言ったりすることもできる。気心の知れた仲ならきわどい言い方も許される。その機微が会話の妙味だ。
文字によるおしゃべりは、言いたいことだけを一方的に発信するやりとりで成り立つ。ちょっと言い過ぎたかなと思っても「Enter」キーを押してしまえば取り返しがつかない。しかも記録として残り、本意とは違う読み方をされる危険がある。この少女は一人パソコンの前で憎悪を蓄積していったのだろう。

この少女は「殺すつもりで呼び出した」と話している。
「誤って」ではなく、明確に「殺すつもり」で事件をおこした少女を救えたのは誰であったのか?
教育関係者はこの事件についてくだらん防止策を議論したり、即効性のある妙案がないと動揺するばかりだ。
はっきり言うが救えるのは親でしかない。少女を無条件の愛で包むことのできる唯一の存在である親に責任があると、私はあえて厳しく問いたい。
我が子を叱れない親、我が子を虐待する親の子供達は、自分は愛される価値がないと思い込んでしまう、非常に強い自己否定の感情を持っているのだ。
自分を愛せない人間に他者を思いやれといっても無理がある。子供に自分の価値を知らせることのできるのは親しかいないのだ。

加えて「バトルロワイヤル」のような映画を子供達は単なる娯楽作品として見る思考がまだできていない。R−15(中学生以下鑑賞不可)でありながら実際は子供達の目に触れている状況は最悪だ。先進国の中でエロ・グロがここまで子供達に蔓延している国はないはずだ。
また出演者であるビートたけしのような人気者は与える影響を考慮する教育者であってほしいとも思っている。

いまからでも遅くは無い、親は「自分は愛される価値がある」と子供が解るまで愛してあげてほしい。


2004年6月8日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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