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2004.09.29
糸山政経塾「上海経済学術交流ミッション2004」
私が上海講演を中止にした理由


中国の名門、上海交通大学で終身顧問教授を務める私にとって日中友好の活動はライフワークだ。
だから最近の報道に見られる過激な反日思想の中国人にはすごく驚いている。
サッカーのアジア・カップでは日本の国家斉唱にブーイングをしたり、敗戦に怒った中国人観衆約1,000人が、日本代表の宿泊ホテルを取り囲むなどの混乱は大変悲しい事実だ。

そしてとうとう私の上海交通大学終身顧問教授としての活動にも支障が出てしまった。
糸山政経塾・上海経済学術交流ミッションとして10月9〜11日に中国訪問を予定していた。しかし上海交通大学がマークしている一部過激な反日グループの情勢から、多数の中国学生が詰め掛ける私の講演での安全確保が難しくなっているという話が届けられたのだ。
多くの優秀な中国の学生は、私の歯に衣着せぬ講演を冷静に聞いてくれる、これはお互い真の友人になりたいと言う気持ちが伝わっている証だと思う。
勉学の場で一部学生の極端過激な思想が跋扈することは許すべきではないだろう。
上海交通大学謝学長をはじめとする中国の友人たちは「仮に厳重な警備を施しても、一言過激な反日言動を発する学生がいれば糸山先生の講義を台無しにしてしまう」と気遣ってくれている。
私にとって毎年恒例のこの重要なミッションを中止にしなければならないことを非常に悲しく思う。後戻りしてはならない日中関係に暗雲をもたらしているものは何なのだろうか?考えてみれば、小泉首相は就任から3年も経っているにもかかわらず一度も最重要隣国中国を訪問していない。
私は日本政府の外交における怠慢がこのような誤解を生じさせていると考えている。新しい外務大臣は町村信孝氏だが川口順子氏を外交問題担当の首相補佐官としている。小泉首相は官邸主導外交でまたパフォーマンスをやりたいだけなのだろう。相手国からみれば小泉外交はいい大人がふざけているようにしか見えない。
中国との関係改善どころか、日本の国連常任理事国入りを中国から牽制されている始末だ。米国のポチになりさがっている小泉首相はまず中国に行けと言いたい。日中関係は経済界の私達が多方面での民間外交を展開して国益を守っているのが現状なのだ。
議員時代、長く外交の現場にいた経験から言わせてもらうが、外交のセンスが無い人間に外交を任せてはいけない。国家間の外交と言っても詰まる所「人間対人間」のやり取りに他ならない。厳しい要求を突きつけあっても相手を尊敬する心を失わない外交が国を守るのだ。
特に日中間の問題は国益を損なうなどと生やさしいことでは済まない、国家の存亡に関わる重要なものなのだ。

胡錦涛国家主席は、「天が高ければ高いほど、馬の力を知る。風が強ければ強いほど草の力を知る。困難であればあるほど友情の力を知る」と言っている。
日本と中国はよき友人となれるはずなのだ。


2004年9月29日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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