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2004.12.15
JAL新町社長に糺す
株価と企業モラル


東証1部上場大型量販店ドンキホーテの連続放火事件について、企業モラルというものを改めて考えている。
亡くなった従業員の方には冥福を祈る、そしてもちろん火をつけた犯人が悪いのは当然のことだ。
しかし安田社長以下幹部社員が東証1部上場企業としての企業モラルを持っていたかと言えばそうでは無いだろう。利潤追求のために行われた荒っぽい商売は人々の恨みをかいつづけた。今後捜査が進む中で明らかになる部分もあるだろうから今多くは語るまい。

12月14日、JAL兼子CEO・新町社長が経営改革進捗状況の報告にやってきた。
この日、原油安にも関わらずJALの株価はなんと291円、ANAの株価354円とは63円もの差がついている。JALは年末400円の株価を目指していたにもかかわらずこのていたらくは重大な経営責任だ。
原油高を言い訳にできなくなった新町社長に「あなたの顔には291円と書いてあるも同然だ」と言った。毎日、自分の顔を安くしてどうするのだ。

JALは来年3月、東京・品川の本社ビルを野村不動産系の不動産投資信託(REIT)に約650億円で売却する方針を固めている。
これは私が再三「有利子負債を減らせ」と言ってきたことに対応したのだろうが、事前の相談が無かった。新町社長に経営の全般は任せてはいるが、このような大きい資産売却はやり様で結果が大きく変わってしまう。方向に文句は無いがこの売却交渉の効率性は私自身が厳しく精査することを言い渡した。
また、JALがアメリカの業者と共同で開発した巨大ゴルフリゾート「ホクリア」(開発反対地元住民と係争中)から未だ資本を抜いていないという話について問いただした。
新町社長の説明は、出資比率は75%から10%まで低下させていると言うものの正確な損益状況は要領を得ない。かつてこのような畑違いの関連事業については貴重な資本準備金を1500億円も取り崩して整理撤収したはずだ、にもかかわらず未だ本業回帰が徹底されていないのであれば株主として断固許すことはできない。
ドンキホーテほどでは無いにしてもJALに企業モラルの低下など無縁でなければならないのだ。
私はエグゼクティブアドバイザーとして経営上曖昧な部分は徹底して排除し、企業モラルを維持した上で経営を極限まで効率化、株主価値の向上に努めていく。新町社長の顔に291円と書いてあるのを笑って見てはいられないのだ。

航空業界は「9・11」のテロ後、イラク戦争、新型肺炎SARSの影響を受けたが、最近の中国特需でようやく明るさがでてきている。財務リストラにも力を入れ始めたJALはこの追い風に乗り羽ばたく予定だ。
しかし現状は、ANAの投資家向け広報にしてやられている。
全体のサイズダウンによって黒字化させたANAは今後大幅な増収が難しい構造となっている。にも関わらずJALよりも強気の増益予想を出し市場の評価も高く、株価もJALより割高に買われている。
事実は全く逆だ、航空業界の構造を正確に知っていればJALの株価が極端に割安であることは明白なのだ。
それ以外に理由があるとすれば経営統合後のサービス低下だ。あるJALヘビーユーザーはJALのきめ細やかなサービスが無くなったと嘆く。これは現場スタッフの奮起を頼むしかないだろう。

ベンチャー企業の企業モラル経営者モラルは退廃し、株主の金で超高級車マイバッハに乗り、飲み食いする経営者が多いが、JALにはそんなことは無いと思っている。
私はJALの人間に御飯さえご馳走になった事も無い、当然新町社長が会社の金いや株主の金で飲み食いをしているなどということは無いと思っているが、一度しっかり仕事をしている姿を見せてくれ。
その新町社長が来年3月に発表する中期経営計画で市場の評価を一変させると意気込んでいる。
JALの新町社長が出す計画だ、ベンチャー企業の社長がぶち上げる出来もしないラッパ計画ではないだろう。
新町社長の顔は、本当はいくらなのか?自ら市場に解らせてやれ!


2004年12月15日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎


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