郵政民営化法案の成立をめざし、政府・与党は国会の会期を8月13日まで55日間延長することを決めた。
小泉純一郎首相が今国会必ずやると約束した郵政民営化関連法案が衆院で審議中であり、延長は仕方の無いことだろう。
問題はそのお粗末な中身にある。
この5ヶ月間、国会議員は何をやっていたのだ?郵政民営化関連法案に限っては60時間以上も審議されていながら何も決まっていない。
小泉首相は「自由に事業をやれる方が国民サービスの向上や経済活性化に資する」と解っているのか解っていないのか、わからんような話を繰り返すのみ。
民営化にどんな利点やマイナスがあるのか、小泉首相が説明できないので国民は戸惑うばかりだろう。
自民党の民営化反対派は既得権益をセコセコ守るだけなので話にならないし、野党民主党にいたっては審議拒否の前に党の意見がまとまっていない有様だ。
最終的に骨太どころか骨抜きのどうでもよい法案ならば特にやる必要は無い。
郵政改革の主たる目的は、貯金と保険を切り分け、民間並みに扱うことだ。
日本の個人金融資産1400兆円のうち4分の1を郵貯・簡保が占めている。ドイツやフランスにも同様の郵便貯金があるが、残高は日本の10分の1程度なので日本の郵政はかなり異常だ。
この巨大な資金を民間で動かし株式市場に還流させ、景気回復の力とすることが重要だ、それで初めて明治以来の郵政大改革は意味を持つ。
私は郵政民営化とペイオフにある程度の期待を持っていたが、このていたらくでは私も市場も失望せざるを得ない。
日経平均株価の戻しを非常に重くしている国会議員の罪は大きい、これほどの国益毀損はないだろう。
一方で日本の景気は経済人の血のにじむような努力で着実に回復へと向かっている。政治がダメでも日本企業の底力を知っている外国人投資家が日本株を買いまくっているのだ。
上場企業の外国人持株比率が過去最高の23.7%となった。
日本人が相場の膠着に耐え切れず乱高下の激しい新興市場銘柄に手を出して大ヤケドをしている時に、彼らは徹底して日本のバリュー株の大量保有に動いていたのだ。
現在の日本市場は、私やウォーレンバフェット氏のような徹底したバリュー投資が有効であることはこれまでにも言ってきたことだ。
実践しているのが外国人投資家のみとは情けない。
愛国心から怠慢議員は許さず、外国人投資家と渡り合える日本人であってほしい。
2005年6月17日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎