ポスト小泉の候補者選びに話が及ぶと、非常に多くの名前が挙がるのはどうしたことか。
まず大衆人気抜群の安倍晋三君だが、北朝鮮への強硬姿勢で得た人気だけで首相になるなら絶叫小泉と変わらないだろう。
高村正彦君も能力は十分あるが派閥のまとまりが悪い、郵政法案の採決で棄権はまずかった。
福田康夫・平沼赳夫・麻生太郎に至っては笑ってしまう。
私はズバリ谷垣禎一君こそ適任だと考えている。
彼は、長野県軽井沢町で開かれた夏季セミナーで講演し、今後の政策立案には人と人との絆を重視する必要があるとの認識を示した上で、「そのうちポスト小泉というものを考えなければならない時には、もう少し(政策を)具体的に肉付けをしてわかりやすく申し上げたい」と述べた。
「ポスト小泉」に強い意欲を示したのだ。
谷垣禎一氏といえば、平成12年「加藤の乱」の時の姿が印象に強いのではないだろうか。
加藤紘一氏は野党提出の森内閣不信任案に同調し、反対票を投じようとしたのだが、旧橋本派、野中広務幹事長(当時)らの激しい切り崩しにあい、ドタン場で欠席戦術に切り替えた。
「あなたが大将なんだから」――。勝ち目のない形勢に、大将が討ち死にしてはならないと、加藤氏を押し止め、その肩にわんわんと泣き崩れたのが谷垣氏だったのだ。
東大法学部を卒業、若き弁護士として活躍していたところへ父君の急逝で政治家に転身した。親しい友人である私は彼の真面目さを良く知っている。
そんな彼が宏池会分裂という修羅場を経て目指すものは、保守本流の名にかけて日本の国益を守ることに他ならない。
少子化問題の解決は家庭内の絆が、犯罪の抑制は地域社会の絆が、絶対に必要だと言い切る。
その絆も精神論だけでは無いはずだ。二重課税である相続税を廃止し、世代間の富移転を進めれば少子化を止める効果絶大だろう。日本は大胆な政策を打ち出せる政治家を待っているのだ。
派閥修復、大宏池会など小さい話だ。
もっと大きく、日本人が忘れている「絆」にこだわる谷垣禎一君に期待している。
2005年7月14日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎