私宛にJAL整備部門からの切実な訴えがあった。
「安全運航の要である整備部門に厳しい目が向けられていることは十分承知しております。私たちは航空機整備を行うものとして気持ちを引き締め、安全運航のためにその経験と技術を最大限に発揮したいと思っております。
しかし現経営陣からは整備の質を落とすことなくコスト削減を進めよと迫られています、これは大変難しい問題です。
企業である以上、利潤の獲得が目的であることは当然ですがコスト削減の方向が間違っているような気がします。
有名人を起用した巨額の広告宣伝費用をそのままに安全対策費用を削減する経営に整備の現場は戸惑いを感じているのです。」
整備部門は経営陣にその気持ちを再三伝えたと思う。
しかしそれは検討されることも無く捨て置かれたに違いない。途方にくれて私に訴えてきたのだろう。
10億円超の金をかけてヤンキースの松井秀喜選手・ゴルフの宮里藍選手・女優の藤原紀香さん・矢田亜希子さんを起用している。タレントがいくらJALを宣伝しても、ちょっとしたトラブルがメディアで伝わればJALの搭乗カウンターはいきなりガラガラになる、最終的に万単位でお客様がANAに流れるのが現実なのだ。
地道な航空機整備をないがしろにしていては、広告など金をドブに捨てているようなものだ。
はっきりと言っておく、タレントに恨みはないが派手な広告宣伝は一切止めろ。その費用を全て安全対策費用としトラブルをゼロにするのだ。
大体、欧米の航空会社でタレントに高額のギャラを払っているところなど無い。
JALの時価総額が現在6264億円と1兆円まで大きく隔たりがある理由の一つがここにある。
新町社長と羽根田副社長には、この問題に即着手し成果を上げ報告に来ることを厳命する。
これまで二人をサポートしてきたが「安全が最大の宣伝」これが理解できないならばJAL経営者を辞めろ。
2005年8月30日 米国にて 糸山 英太郎