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2005.10.11
地震の不幸を糧に
日本も今こそ学べ


パキスタンで発生した地震の被害が深刻さを増している、死者は30,000人以上と伝えられているが更に増えそうな状況だ。
私は震源地がパキスタンとインドの領有権争いの地カシミール地方ということで、国際的な救援が難しくなることを一番心配した。
しかし地震が起こる前、長年領有権を争ってきた両国は和解への一歩を踏み出していた。
カシミールを分断する実効支配線(停戦ライン)を越え、双方の都市を結ぶ直通バスが4月から走りだした。離れ離れの家族や親類が行き来できるようにしたのだ。
この地震を受けてインドはパキスタンに「あらゆる支援をする用意がある」と申し出ている。

被災をきっかけに敵対関係が薄まることはよくある。
スマトラ沖地震で大きな被害を受けたインドネシアのアチェ州で、分離独立派武装組織と政府の和平が進み、この8月に協定調印にこぎつけたことが良い例だ。
地震による被害は大変不幸なことだが、そこから少しでも良い方向へもっていこうとする知恵が必要なのだ。
停戦ラインをはさみ、いがみ合っているときではない。協力し合うことで緊張が解け、和平の機運が膨らんでいくことに期待したい。

この地震の規模を示すマグニチュードは、阪神大震災を上回る7.6だった。
地震が起きた場所は地下でユーラシアプレートとインドプレートがぶつかる非常に地震が起きやすい地域だったと言う。
日本もまさに同じ地層構造を持つ地域がたくさん存在する。救援と同時に学ぶべきことは多いはずだ。
パキスタンはレンガを積み上げただけの建物が少なくない、倒壊した高層アパートの耐震強度も不十分だったのだろう。
しかし日本の阪神大震災でも、死亡した人の80%以上が建物倒壊による圧死や窒息死であったことを考えれば、建物倒壊に十分備えている国はまだ無いと言える。
地震の発生は防げないし、予知するのも現時点では不可能である。被害を最少限に抑えるためには、まず建物の耐震化を図ることだ。

私は災害時重要な防災拠点となる学校を経営しているわけだが、耐震化については早い時期から対策をとっていた。
国や自治体は公共施設の耐震化を進めているがもっと急ぐべきだろう。
多額の負担が必要な個人住宅の耐震化には、補助制度がもっと有効に機能するよう検討が必要だ。

北米・南米のハリケーンも含め、様々な天災に襲われるのが人間だ。
我々の知恵が試されていることを忘れてはならない


2005年10月11日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎



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