色々なことがあった一年だった。
原油高騰・鳥インフルエンザ・イラク政情不安・米国南部ハリケーン・パキスタン大地震・中国反日デモ・ローマ法王死去等々、世界から切れ目無く流れてくるニュースには人々を悲しませ不安にさせるものが非常に多かった。
国内に目を向ければ、衆院選の自民圧勝・JR福知山線脱線事故・アスベスト禍・靖国参拝問題・児童殺害事件・耐震偽造問題等々やはり深刻なニュースが多く並ぶ。
唯一、明るいニュースが東京証券取引所の活況ではないだろうか。みずほ証券の誤発注問題などもこなし高値を更新していく日経平均に、日本人は自信を取り戻しつつあるようだ。
私は年初、2005年を日本の復活の年と予見した。
過日、このHPに書いたようにその富を享受した私は圧倒的な勝ち組となったわけだが、唯一JALの建て直しに時間がかかっていることについて反省をしてみたい。
昨日、JALの「安全アドバイザリーグループ」が安全への提言をまとめ、新町敏行社長に手渡した。
「組織の硬直化など"大企業病"が進行している」と診断した上で、「旧日本エアシステムとの統合など大転換期だけに、全社員の発想の転換が必要」と、意識・組織両面で根本改革を求めた。
役員・社員の古い発想や労使のわだかまりをすぐに捨てて、安全と最高のサービスを提供するエアラインになれと一年言いつづけてきた私にとって目新しさは無い。
皮肉なことに、それを忠実に実践したのがANAだったことが悔しい。現在の株価にはっきりと表れていることを認めなければならない。
それにしても空運に対するマスコミの過剰反応は腹立たしい。
もちろん安全に少しでも瑕疵があれば批判を受けることは当然だろう。
しかし安全を確保する為のチェックで航空機の運航が少し遅れただけで大騒ぎするマスコミは報道にバイアスをかけすぎだ。
飛行機事故よりもはるかに高い遭遇率である自動車事故を瑣末な事件として扱う、実際に死亡者をだしてしまった鉄道事故を小さく扱う。
統計的に言えば航空事故に遭遇する確率は、飛行機に毎日乗っていても、438年に1回、週一回のフライトならば3000年に1回だ。
航空業界の安全対策は極めて高度なものなのだ。
「火事が恐いから火を使わない」という人間はいないはずだ。だからこそ事故を限りなくゼロに近づける努力は今も未来も続けられるのだ。
島国日本にとって空運業界は絶対に必要なものだ、建て直し必須であると私は思っているし国民も理解してくれるだろう。
叶わぬならば、私はJAL最高顧問を辞することも考えなければなるまい。
2005年12月27日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎