9月6日、JAL西松社長と新町会長が糸山タワーにやって来た。
前代未聞の公募増資発表から2ヶ月以上経っているがJAL株価は低迷したままである。
ANA株価の半分という屈辱的な水準だ。
西松社長が切り出す。
「この度の公募増資では株主の皆様に大変ご迷惑をおかけしております。しかしJAL再生のため航空機更新費用の調達には絶対必要なことであったと確信しております。何卒ご理解賜りたくお願いいたします。」
各方面からの批判で、四面楚歌の西松社長が私に訴えてきた。
しかし既存の株主が被った損害はこの程度の言い訳で癒せるほど生易しいものではない。
かつて1000円超を誇ったJAL株価が200円台になっている、現在私だけでも100億円超の損失なのだ。
「西松社長、この状態をどうするつもり?」
私が放った言葉に場の空気は一瞬にして凍りついてしまった。
私のところには多くのJAL株主からメールや封書でJAL経営陣に対する不満が寄せられるが、集約すればこの一言に尽きると私は思っている。
西松社長の仕事は、まず公募増資前の株価300円に戻すことだ。
サーチャージによる運賃値上げ、旅客需要改善、原油安、日経225銘柄の上昇など好材料が並んでいるにも関わらずJAL株価が低迷している最大の原因は西松社長自身への不信感が市場にあるからだ。
JALが3月に公表した中期経営計画の数値目標の一部を最近の有価証券報告書では妙な言い回しに変更している。
株主資本利益率の数値目標「6.5%」を「中長期的なROEの向上」とした。
これではどこかのベンチャー企業のイカサマ目標と変わらない。
西松社長は「増資と中期経営計画はセットで考えている」と発言していた。
市場は増資が中期経営計画とセットなら、計画で示した2007年3月期の最終黒字転換は必達目標と認識していたのだが、数値目標をコロコロ変えるために最終黒字転換まで疑い始めたのだ。
ROEの向上も最終黒字転換も西松社長が本当の経営改革ができるかにかかっている。
社員の給料を一律10%削減したことを誇っているようではダメだ、社員の数を減らして成果を上げた社員には10%増しの給料を払うことを考えてくれ。
JALの悪しき慣習の象徴3人の高齢社外取締役を解任し若手・女性・外国人を登用してくれ。
サラ金みたいな品の無いTVCMはすぐに止めて、配当の原資としてくれ。
西松社長よ、多忙な私を1時間30分も拘束し熱弁を振るったのだ。
言葉どおりの実績を示してくれ。
2006年9月7日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎