竹中平蔵総務・郵政民営化担当相が首相官邸で小泉純一郎首相と会い、小泉内閣が総辞職し新政権が発足する26日付で参院議員を辞職する意向を伝えた。
竹中氏は記者会見で「小泉内閣の終焉をもって政治の世界における私の役割は終わる」とやってきたことはすべて正しかったと言いたげな様子だった。
竹中総務相は小渕内閣時代から経済政策に関わり、2001年の小泉内閣発足で慶大教授から経済財政担当相として入閣した。
以後、金融担当相などを歴任し小泉政権と歩みをともにしてきた。
何も解らない小泉首相に替わって竹中流経済政策を展開したわけだが、単なるアメリカかぶれの学者がやったこととは何だったのか。
不良債権処理を御旗に株式と不動産を暴落させて、底値で外資に差し出し、国民には痛みを我慢しろと自殺者を増やした。
デフレ終息宣言など夢のまた夢、到底正しい経済政策だったとは言えないだろう。
一方で、実は既にデフレは部分的に終息している。
日経平均は2003年の安値から2倍超まで上昇した。
また、この間の東証一部株式時価総額は230兆円からなんと505兆円まで大きく増えている。
つまり、これらの数字を総合すると「富裕層」や「株式投資層」から見ればとっくにデフレは終わっているともいえるのだ。
しかし竹中総務相がデフレ終息宣言を出来ない理由が二つある。
一つ目は「竹中の政策でデフレが止まったわけではない」
企業の壮絶なリストラによる業績回復がデフレを止めたことは疑いようが無い。
二つ目は「格差が生じている」
竹中流経済政策で就職できなかった若者などがフリーターのまま過ごしている。
あるいは、バブル崩壊の後遺症でいまだに負の資産に苦しんでいる人、そして地方の不況などがある。
ここで竹中総務相がデフレ終息を宣言したら、彼は命がいくつあっても足りないだろう。
竹中総務相の議員辞職に伴い、比例選での得票数が自民党で16位だった女子プロレスラーの神取忍氏が繰り上げ当選することに至ってはもう苦笑するしかない。
自らの過ちを全く自覚せずに突っ走る人間がいかに危険なものか、日本人は竹中流経済政策で思い知らされたはずだ。
竹中総務相に株価を乱高下させられた5年は非常に長かったと言うことだ。
2006年9月15日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎