株価上昇の勢いが止まらない米国などにくらべ、日本の市場はなぜこんなに上値が重いのだろうか。
極めて不誠実な新興株市場というものにその原因があると私は考えている。
日経平均株価が反転基調を強める一方、新興株式市場の下落が止まらないのだ。
会計問題に端を発した新興企業への不信は非常に根深い。
東証1部企業が慎重な2008年3月期予想となる一方、新興企業は2ケタ経常増益予想を示しているところが少なくないが額面通りに受け取る投資家は1人もいない。
かつて、株式上場とは一握りの企業が何年もかけてこぎつけた特別なものであった。
しかし新興3市場(マザーズ・ジャスダック・ヘラクレス)が誕生すると設立間も無いベンチャー企業が上場に殺到してしまったのだ。
何のための上場なのか?
市場から調達した新しい資金は、高い志を持つ経営者のビジネスに投入されるべきなのだ。
株式市場の資金が、ソニー・本田が世界を舞台にして戦う力となったことは説明するまでもないだろう。
ベンチャー企業は自社に明確な事業モデルがないにも関わらず、簡単に上場し資金だけ得てしまう。
その資金は売上げをつくるためのM&A、もっとたちが悪ければ遊びの為のマイバッハやヘリコプターに化けてしまう。
実態を見たら投資家は卒倒するはずだが、多くの個人投資家はベンチャーでなければ株では無いと思っていたのか、新興株投資にのめり込んでいった。
東証マザーズの時価総額は年初から今日までだけで実に一兆円が吹き飛んだ計算だ。個人投資家はこのダメージを新興株だけでなくまともなセクターにも及ぼしてしまったのだ。
新興企業の成長を否定などしていない、頼むから真面目な若手経営者だけに上場を目指してもらいたいのだ。
そして個人投資家の皆さんには真贋を見極める目を養ってもらいたい。
日本人は、日本が誇る優良企業を売ったままになっている。
日本人の資金はまず日本の誇りである優良企業を買い戻すことが先決だ。
ウォーレンバフェット氏が米国の優良株を大量に買ったように、私は安値に放置されている日本の優良株を大いに買っていくつもりだ。
2007年5月18日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎