JALの株主総会が近づいてきた。
社外取締役と社外監査役の内定が報道されている。
社外取締役は東京急行電鉄の清水仁相談役が退任、後任に同電鉄の上條清文会長が就く。
社外監査役は旧日本興業銀行頭取の西村正雄氏(故人)の後任として同行出身の鈴木浩・富士重工業顧問が就任。
また、日本政策投資銀行からも堀之内博一理事を常勤監査役に、さらに弁護士の坂井秀行氏も監査役として迎え入れる予定だ。
新旧交代で改革を目指すことになるが、すべて株主総会での正式決定が必要だ。
私は出張で数多くJAL機に搭乗するが、最近実に様々な部署のJAL社員から声がかかる。
「糸山先生のおかげで、JAL社内の風通しが非常によくなってきています。」
幹部社員・若手社員問わず、口を揃えてこんな言葉がでてくる。
かつて全体の利益・効率性を無視して自分たちの都合ばかりを優先する人間が跋扈したJAL社内が大きく変わり始めている。
大株主としてJALの悪しきセクショナリズムと戦ってきたが、やっと現場の社員からこのような話が聞けるようになってきたことを嬉しく思う。
派閥抗争に明け暮れた役員連中も変わってきている。
私の指摘に西松社長は役員個室を廃止して役員大部屋に改めるなど、これまでのJALでは考えられないアイディアを実行している。
今後JALでは個室で派閥戦略にうつつを抜かす役員は存在しなくなるだろう。
影響力を削がれた古いOBグループからは「糸山の豪腕が苦々しい」との声も聞こえるがかまっている暇は無い。
2月に発表した中期経営計画が順調に進んでいる。
あとは株価だ、いくら計画の進捗が良くても市場で認めてもらわなければ株主は満足できない。
JAL株価237円に対してANA株価461円、JAL時価総額6500億円に対してANA時価総額9000億円だ。
長く続いているこの逆転現象についてJAL株主は大いに不満だ。
ナショナルフラッグキャリアとしてJALがANAを凌駕するまで改革の手は緩めてはならない。
平成10年3月17日、JAL近藤社長が資本準備金1500億円を取り崩し辞任、兼子新社長が復活を約束したこの日の株価が513円だった。
最低でもスタートラインである513円まで戻すことが西松社長にも受け継がれる約束なのだ。
JALは大きく変身しつつあるが、社内の「風通しが良くなった」程度では私の議決権行使書はまだ渡せそうにない。
市場の評価を得るためにJALが成すべきことはすべて伝えてある、更に精進せよ。
2007年5月21日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎