ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反の罪に問われた村上ファンド元代表、村上世彰くんの判決公判が東京地裁で開かれた。
検察側は「証券取引にかかわる者としての最低限の倫理観すら欠如している」として懲役3年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円を求刑していた。
一方、弁護側は「検察側の主張は砂上の楼閣」と真っ向から対立、無罪を訴えていた。
そして判決は懲役2年 追徴金11億円の実刑となった。
逮捕直前の記者会見でインサイダー取引を認めた村上くんであったが、法廷では一転して否認供述を繰り返したのだ。
「私が悪い。人生の中で初めて闘うのをやめた」
「長い闘いになると思うが、真実を貫いていく」
「悔しいというか悲しい。なんでぼくがここ(被告人席)に座っているのか、完全に消化できない」
「うそです。うそつきました。分かりやすいストーリーを話して逮捕されることを決めていた。そうしないと、他の人まで逮捕しちゃうんでしょう?」
弱気になったり、強気になったり、泣き落としたり、揶揄したり彼のセリフは目まぐるしく変わっていった。
戦略によっては執行猶予だって得られたかもしれなかったのに、強力な弁護団は村上くんを説得しファイティングポーズをとらせたのだろう。
最近行儀の悪い弁護士が非常に多く跋扈しているが、長い裁判を続けさせる商売人を雇ってはいけない。
裁判官の判断がすべて正しいとは私も言わない。しかしどう考えてもインサイダー取引の要件は揃っている、私は時間を大切にしろと言いたいのだ。
素直に罪を認め刑に服し再起をはかることこそ、真っ当な道だと思う。
以前、村上くんが私にくれた手紙の中には「4人目の子供の育児を心から楽しんでいる、この年になって日々子供と一緒に過ごす幸せを感じている」とあった。
身も心も癒してくれる子供達のためにも意地は張ってほしくない。
村上くんはまだ若い、2年間なんてあっと言う間だ。反省と勉強で過ごす時間は決して無駄ではないだろう。
以前村上くんが私のところにやって来た時、私はほとんど話を聞いてやらなかったが、2年後生まれ変わった彼が相談に来たならば、「プロ中のプロ」の兄貴分として是非話を聞いてやりたいと思っている。
人の一生は時間に限りがあるのだ、無駄にしてはいけない。
2007年7月19日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎