学生時代はボクシングの選手であり、ボクシング競技団体とも関係の深い私は何十年も前からボクシングを愛してきた。
亀田騒動については、あまりにもレベルが低いので一切コメントしてこなかったが、ここにきてやっと収束に向かっているので少しだけコメントしたいと思う。
協栄ジムは先代の金平正紀会長のときからよく知っている、26年前毒入りオレンジ事件で悪名を轟かせた御仁だ。
当時国会会期中でこの事件を取上げたことを思い出す。
そして今、その長男である金平桂一郎会長がまた不祥事を起こしたことに失望している。
ボクシングがスポーツであり、興業であることを私は誰よりもよく知っている。
しかし協栄ジムの親子二代に渡るボクシングビジネスはあまりにもえげつなかった。
帝拳ジムの本田明彦会長は古い友人であるので、試合後にカラオケを歌う最近のボクシング興業について苦言を呈していたところでもあったのだ。
マッチメイクやTV局との関係に血道を上げてレベルの低いチャンピオンを作り上げることに没頭していた協栄ジムの責任は大きいと言わざるを得ない。
自分達がどれだけボクシングを汚しているのか全く理解していなかったのだろう。
オーソドックスなボクシングファンにとってK―1やプライドのようなショーアップは必要ないのだ。
亀田史郎氏については、最近の日本には無い厳しい父親を体現しているかに見えたが、父親の重みというものが全く分かっていない。
選手が主役であってトレーナーは裏方に過ぎない、父親であればなおさら精神的な支柱として静かに支えるべきであったのだ。
「ボクシングはケンカ」などと派手に吠えていたが、亀田史郎氏は悲しいほどにケンカ下手だった。
ケンカ下手のケンカほど見ていて悲惨なものはない。
亀田大毅選手に一年間のボクサーライセンス停止処分が下った。
父親に仕込まれたことがすべてであった18歳の若者にとってこの挫折は本当に辛いことであろう。
しかし人生に浮沈はつきものだ、若い亀田大毅選手にはこのままつぶれてほしくはない。
確かに技術的にはまだまだであるが、身長168センチの彼がフライ級のウエイトまで絞ることも簡単ではなかっただろうし、激しい練習を積んでいるから12ラウンド戦うこともできたはずだ。
今時の18歳でこんなストイックな日々を送っている者が日本中にどれだけいるだろうか?
亀田大毅選手よ、一年間一生懸命練習するのだ。そしてまずは日本チャンピオンを目指せ、時間はたっぷりある。
生まれ変わったボクサーを温かく迎えるのは私だけであろうか?
いや多くの日本人は持っている、がんばれ!
2007年10月18日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎