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2007.11.27
第10回学術サミットを終えて
6カ国〜米国・独国・豪州・韓国・中国・日本〜

1997年9月、私が呼びかけて第1回学術サミットがスタートした。その後、世界の様々な地において開催させて頂き、今回記念すべき第10回目を迎えることができた。

その間、社会情勢、国際情勢は大きく変化してきた。中東紛争、アメリカにおける9.11テロ、そして世界のいたるところで紛争が発生している。さらに高齢化、温暖化、原油高、食糧危機等の多くの難問が山積みである。

その中で私は、コンピューター技術が新しい社会の仕組みを創り、インターネットが人々の意識や生活も変えてしまう昨今の風潮に、疑問を抱き始めている。ある種の産業革命といえるIT革命は、グローバル化を促進するとともに情報の平等性をもたらしたが、と同時にさまざまな問題も生み出した。

このように高度にIT化された社会においては、全ての情報がコンピューター内で管理されている。よって、蓄積された膨大な量の重要な情報が瞬時にして失われる危険性がある。これは社会全体の大きな損失となるため、従来のバックアップ方式ではなく、確実なデータの保護方式を創り出すことが必須である。
また多種に渡るコンピューター犯罪、オープンなインフラであるが故の情報漏洩とその危険性、さらには著作権や知的所有権。セキュリティなど多くの問題が残されている。

そもそも、IT産業にまつわる製品すべての原動力は、電気であるということも深刻な問題である。そのエネルギー作りの資源はオイルであり、地球のオイル資源はせいぜいもって30年といわれているのだ。

しかしながら、私は技術革新と人間の英知がある限り、未来は暗くないと信じている。不可能が可能に、夢が夢でなくなる時代、それを私はポジティブに受け止めて行きたいと思っている。

先日11月9日、文部科学省は、来年度6月30日から7月1日までの2日間、札幌においてG8サミットを開催することをプレス発表した。私はこの世界レベルでの大学のサミットのスタートを機に、今回の10回目をもって学術サミットを終わりとすることに決めた。

私はかねがね、学術サミットは国家レベルで行うべきものであると考えてきた。今回のG8サミットは、ようやく思いが通じたものと嬉しく思うと同時に、10年間世界に先んじて学術サミットを行ってきたことを誇らしく思いたい。

しかしながら若者のモラルの低下が大きな社会問題になっている現在、教育機関や大学はこのことについて真剣に取り組まなければならない。そのため、学術サミット大学間の交流を継続的に発展させ、研究交流においてより実質的な成果が生まれるよう、心から期待している。


2007年11月27日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎



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