私の友人には不動産業界の人間も非常に多いので、最近の不動産市況の低迷については数多くの問い合わせを受けている。
そんな中広島の不動産会社アーバンコーポレイションが倒産した、負債総額は2,558億円で今年最大だという。
更なる問い合わせの前にここで私の考えを述べておきたい。
アーバンコーポレイションは2002年に東証一部に上場した会社だが、わずか6年で上場廃止とは投資家を愚弄するにも程がある。
田舎の不動産屋が、めまいがするほどの借金をしてマンションや商業複合施設の開発を行ったのだ。
東京では安普請の分譲マンション、広島では場違いな高層タワーというちょっと理解できない戦略で突っ走った。
極めつけは不動産流動化事業と称して資産価値の低下した不動産を取得・改装し外資系ファンドに転売するビジネスに血道をあげていた。
不動産価値を創造すると言いながら、最終的に自社の株式価値をほぼゼロにするなんて冗談きつい。
アーバンコーポレイションの房園社長(45歳)は大京の営業マンあがりの苦労人だそうだが、彼ひとりの野心だけでこのような大事になりはしない。
過剰融資をする金融機関とそれを許す金融行政がこのような若き経営者を暴走させたのだ。
散々暴走させた後に金融機関は不動産融資の厳格化を一斉に言い出す、資金繰りは一気に悪化し倒産に追い込まれたのだろう。
1980年代後半の過剰流動性(アクセル全開)とその後の総量規制(急ブレーキ)は誰も想像できないほどの景気後退を招いたことは記憶に新しいが、そのミニチュア版をここで繰り返してどうするのだと言いたい。
このような事象は日本人のマインドを大いに萎えさせ、経済を疲弊させる。
経済成長に新しい価値の創造が必要なのはいうまでも無いが、真の価値とはアイディアと時間が熟成するものなのだ、
稚拙な経済政策と慌て者の不動産業者は最悪の組み合わせだ。
GDPを健全に伸ばすために、不動産業界が果たす役割は価値のあるものを適正な値段、適正な量で供給することにつきる。
今度こそ学習してくれ!
2008年8月15日 ザ・イトヤマタワーにて 糸山 英太郎